この項目では【5択選択】の計算問題が3問出ます。
絶対に落とせないものとして心して臨みましょう。
設問の中には使用しない数値も出てきます。どの数値をどの順番で使うかが鍵となります。
1.EV/EBITDA倍率
出題例
①資本金90,000百万円(900億)
②時価総額870,000百万円
③利益剰余金60,000百万円
④有利子負債680,000百万円
⑤保有現預金(短期有価証券含む)40,000百万円
⑥EBITDA170,000百万円
である会社(年1回決算)のEV/EBITDA倍率を求めよ。
計算式
使うのは
②時価・④有利子負債・⑤保有現預金とEBITDAだけ。
【②時価総額870,000+④有利子負債680,000】
ー【⑤保有現預金40,000】
÷⑥EBITDA170,000
Ans: 8.8倍(小数点2位以下切り捨て)
【時価】に何故か【負債を足して】【現金引いてから】EBITDAで割ります★
解説
【イーブイ/イービッダー倍率】
表示通りEnterprise Value=『企業価値』を、
EBITDA=国により異なる金利水準・税率・原価償却方法などの違いを最小限に抑えた『収益力』で割り、算出した倍率。
M&Aいわゆる買収にかかった費用が、
企業の収益力により、おおよそ何年で回収できるかを示します。
頭に入れておくと公式も覚えやすいと思います。
テキスト記載の正式な公式は以下。
EV=時価総額+有利子負債ー(現金預金+短期有価証券)
EV÷EBITDA=EV/EBITDA倍率
練習問題
問1.
資本金900億円、時価総額8,500億円、利益剰余金400億円、保有現預金(短期有価証券含む)500億円、有利子負債6,500億円、EBITDA1,700億円である会社(年1回決算)のEV/EBITDA倍率として正しい番号をマークせよ。
1. 2.0倍
2. 8.5倍
3. 8.8倍
4. 9.1倍
5. 9.8倍
8,500+6,500-500÷1,700=8.52
問2.
資本金600億円、時価総額850億円、利益剰余金30億円、保有現預金(短期有価証券含む)50億円、有利子負債650億円、EBITDA90億円である会社(年1回決算)のEV/EBITDA倍率として正しい番号をマークせよ。
1. 2.7倍
2. 8.8倍
3. 9.6倍
4. 16.1倍
5. 17.2倍
850+650-5090=16.11
○×の文章で出題される場合もあります。
問3.
EV/EBITDA倍率は国際的な同業他社との比較に用いられ、
倍率が低ければ株価は割安、
倍率が高ければ株価は割高といえる。
2.追証発生株価
出題例
制度信用取引において、
1株1,000円の上場銘柄A社株式を10,000株買い建て、
代用有価証券として上場銘柄B社株式を
1株700円で10,000株差し入れた。
その後B社株式が500円となった場合、
A社がいくらを下回ると、維持率を下回って追証が発生するか答えよ。
※委託保証金率は30%、
上場株式の現金換算率(代用掛目)は70%とし立替金は考慮しない。
計算式
使うのは
A社・その後のB社・代用掛目だけ。
A社1,000円×【維持率0.2】=①200円をメモ!
その後のB社500円×代用掛目0.7=②350円ー①200円=③150円
最後に忘れずに!!
A社1,000円ー③150円=850円
Ans:A社株式が850円を下回った場合
【維持率】は一律で0.2。
※当サイトでは当日PC電卓使用を想定した最短の計算式を記しており、A社B社ともに10,000株のため計算式から省いております。
解説
【おいしょう】と読みます。
値下がりにより建株の約定金額の20%=維持率を下回った場合、顧客から徴収が必要となる金額です。
テキスト記載の正式な公式は以下の通り。
A社株式の約定代金=1,000円×A.10,000株=①10,000,000円
委託保証金=代用有価証券の時価500円×B.10,000株×代用掛目70%=②3,500,000円
維持率20%の委託保証金=①×20%=③2,000,000円
②ー③=1,500,000円÷A.10,000株=150円
追証が発生する株価=A.1,000円ー150円=850円を下回った場合
練習問題
問4.
制度信用取引において、
1株2,000円の上場銘柄A社株式を10,000株買い建て、
代用有価証券として上場銘柄B社株式を
1株1,700円で10,000株差し入れた。
その後B社株式が1,000円となった場合、
A社がいくらを下回ると、維持率を下回って追証が発生するか答えよ。
※委託保証金率は30%、
上場株式の現金換算率(代用掛目)80%とし立替金は考慮しない。
1. 400円
2. 800円
3. 1,200円
4. 1,600円
5. 追証発生しない
2,000円×0.2=400円
1,000円×0.8=800円
800円ー400円=400円
2,000円ー400円=1,600円
問5.
制度信用取引において、
1株2,000円の上場銘柄A社株式を30,000株買い建て、
代用有価証券として上場銘柄B社株式を
1株530円で60,000株差し入れた。
その後B社株式が500円となった場合、
A社がいくらを下回ると、維持率を下回って追証が発生するか答えよ。
※委託保証金率は30%、
上場株式の現金換算率(代用掛目)80%とし立替金は考慮しない。
1. 400円
2. 900円
3. 1,200円
4. 1,600円
5. 追証発生しない
A.2,000円×A.3万株×維持率0.2=①1,200万円
その後B.500円×B.6万株×代用掛目0.8=②2,400万円
②2,400万円ー①1,200万円=③1,200万円÷A.3万=400円
2,000円ー400円=1,600円
3.委託保証金の追加差し入れ金額
出題例
ある顧客が、
時価900円の上場銘柄A社株式2,000株を制度信用取引で新たに買い建て、委託保証金代用有価証券として
時価1,000円の上場銘柄株B社株式1,000株差し入れた。
その後ある日の終値で、
A社株式が650円に、
B社株式が800円になった場合の委託保証金について述べよ。
※委託保証金率は30%、
上場株式の現金換算率(代用掛目)は80%とし立替金は考慮しない。
計算式
追証と同じく使うのは
A社・その後のB社・代用掛目だけ。
A社その後650円-元900円×2,000株=▲①500,000円をメモ!
その後のB社800円×1,000株×代用掛目0.8
ー①500,000円=B社保証金残②140,000円もメモ!A社900円×2,000株×【維持率0.2】ー②140,000=
=220,000円
Ans:22万円以上の追加差し入れが必要
A社評価損①を出し
➡B社保証額に代用掛目かけてA社評価損①引いた保証残が②
➡最後A社保証額に維持率0.2かけて保証残②ひく!
解説
2.3.ともに値下がりにより建株の約定金額の20%=維持率を下回った場合に、顧客からの徴収が必要となる設問なので似ていますが、
2.の追証株価は「A社のその後の株価」を求める問題。
3.はA社の値下がりにより「いくら差し入れ金額が必要か」の問題となりますので、
【A社のその後の株価】が問題文中にあれば、3.の計算式になります。
手順としては
◆まずA社株式の【①評価損】を出します。
A社その後650円-元900円×2,000株=▲①50万円
◆次に【受入保証金額】の計算です。
②全体の受入保証金額=その後のB社800円×1,000株×代用掛目0.8=②64万円
②全体の受入保証金額64万円ー①A社損失50万円
=【③保証金の『残金』14万円】
◆比較対象として【④維持率満たす保証金額】を出し、
A社900円×2,000株×【維持率0.2】=④36万円
◆【③保証金の残金14万円】と比べると。
③保証金『残』14万円 < ④維持率満たす保証金額36万
となるため【差額22万円の差入れが必要】となります!
テキスト記載の正式な公式は以下の通り。
委託保証金の維持率=
A社約定代金(900円×2,000株)×20%=①360,000円
②受入委託保証金ー③建玉評価損<①360,000
となると、追加委託保証金が必要。
A社株式評価損
(650円ー900円)×2,000株=▲③500,000円
代用有価証券の現金換算
(800円×1,000株)×80%=②640,000円
②640,000円ー③500,000円=140,000円
②ー③<①のため追加委託保証金は必要
追加差入れ金額=①360,000円-140,000円=220,000円
練習問題
問6.ある顧客が、
時価1,200円の上場銘柄A社株式1,000株を制度信用取引で新たに買い建て、委託保証金代用有価証券として
時価1,500円の上場銘柄株B社株式500株差し入れた。
その後ある日の終値で、
A社株式が900円に、B社株式が1,000円になった場合の委託保証金について答えよ。
※委託保証金率は30%、上場株式の現金換算率(代用掛目は70%とし立替金は考慮しない。
1. 5万円以上の追加差し入れが必要
2. 19万円以上の追加差し入れが必要
3. 24万円以上の追加差し入れが必要
4. 30万円以上の追加差し入れが必要
5. 追証発生しないため差し入れ不要
A.(900円-1,200円)×1,000株=▲①300,000円
B.1,000円×500株×代用掛目0.7-①300,000=②50,000
A.1,200円×1,000株×維持率0.2-②50,000
=190,000