債券業務も計算式は多いですが、株式業務に比べると
公式は単純です。
とても似ているので混同しないよう頑張りましょう。
【5択問題】の計算問題は2問です。
1.最終利回り
出題例
発行価格100.00円、利率1.0%、残存期間5年の利付債券を、
102.00円で買付けた場合の最終利回りを求めよ。
計算式
【最終利回り】
{(償還価格100円ー購入価格102円)÷5年+1.0%}÷
購入価格102円×100=0.5882
Ans: 0.588%
小数点第4位以下切り捨て
テキストは「償還価格」の記載ですが、出題の際は「発行価格」表記になっていることがあります。
また記載自体が無い場合もありますが、
債券の償還価格として原則100円で計算します。
カッコはありますが計算式の順番通りに電卓たたくだけでOK。
テキスト表記は以下。
【最終利回り】
{(償還価格ー購入価格)÷残存期間+利率}÷購入価格×100
解説
【最終利回り】
投資者の投資判断となる数字で、
最終償還期間まで債券を保有した場合の、
投資元本に対する『年利子+1年あたりの償還差損益』の割合。
練習問題
問1.
利率年1.8%、残存期間5年、購入価格104.00円の利付債券の最終利回りとして正しい番号をマークせよ。
1. 0.881%
2. 0.941%
3. 0.961%
4. 1.203%
5. 1.556%
小数点第4位以下は切り捨て
100円-104円÷5年+1.8%÷104円×100=0.9615
*参考問題*希望の利回りから買付価格を求める計算式
残存期間5年、利率1.8%の利付国債を、
最終利回り0.961になるように買うとすると購入価格はいくらか。
➡(利率1.8%×5年+100)÷(利回り0.961%×5年+100)
×100=104.002円
問1と同結果となります。
2.応募者利回り
出題例
利率1.4%、償還期限10年、
発行価格101円の利付債券の【応募者利回り】を求めよ。
計算式
【応募者利回り】
{(償還価格100円ー発行価格101円)÷10年+1.4%}
÷発行価格101円×100=1.2871
Ans: 1.287%
小数点第4位以下切り捨て
単語表記が、
【最終利回り】購入価格➡【応募者利回り】発行価格
となっており混乱しますが、、
計算式の並びは最終利回りと全く同じです!
テキスト表記は以下。
【応募者利回り】
{(償還価格ー発行価格)÷償還期限+利率}÷発行価格×100
解説
【応募者利回り】
最終利回りの一種で、
投資者が新たに発行される新発債を発行価格で買い付け、
最終償還期間まで債券を保有した場合の、
投資元本に対する『年利子+1年あたりの償還差損益』の割合です。
練習問題
問2.
利率年2.0%、償還期間10年、発行価格101円の利付債券の応募者利回りとして正しい番号をマークせよ。
1. 1.881%
2. 1.900%
3. 1.941%
4. 2.100%
5. 2.207%
小数点第4位以下は切り捨て
100円-101円÷10年+2.0%÷101円×100=1.8811
○×の文章で出題される事もあります。
問3.
投資者が最終償還日まで新規発行債券を保有した時の
年利と1年あたりの償還差損益の合計に対する投資元本の割合を応募者利回りという。
3.所有者利回り
出題例
発行価格100.50円、利率3.0%の利付債券を、99.50円で買付け、
3年後に102.00円で売却した場合の
【所有者利回り】を求めよ。
計算式
【所有者利回り】は途中購入なので、
最初の発行価格は使いません!
数字が出てきても引っかからないで!
【所有者利回り】
{(売却価格102.00円ー購入価格99.50円)÷3年
+3.0%}
÷購入価格99.50円×100=3.8525
Ans: 3.852%
小数点第4位以下切り捨て
【最終利回り/応募者利回り】は、
『償還価格100円』から購入価格/発行価格を引くので、
分子がマイナススタートですが、
【所有者利回り】は
上がった『売却価格』から購入価格(時価)を引くので、
分子がプラスでスタートとなるのが違いです!
テキスト表記は以下。
【所有者利回り】
{(売却価格ー購入価格)÷所有期間+利率}÷購入価格×100
解説
【所有者利回り】
投資者が、既に発行されている債券を時価で買い付け、
最終償還期間まで保有せずに中途売却する場合の利回り。
練習問題
問4.
発行価格99.50円、利率年1.5%、
購入価格98.00円の10年満期の利付債券を3年間保有して、
101.00円に値上がりしたので売却した場合の
【所有者利回り】を求めよ。
1. 0.510%
2. 1.020%
3. 1.833%
4. 2.040%
5. 2.551%
小数点第4位以下は切り捨て
101円-98円÷3年+1.5%÷98円×100=2.5510
4.直接利回り
出題例
発行価格102円、利率1.6%、残存期間4年、購入価格104円の10年満期利付債券の
【直接利回り】を求めよ。
計算式
【直接利回り】
利率1.6%÷購入価格104円×100=1.5384
Ans: 1.538%
小数点第4位以下切り捨て
他利回りと類似した数値がたくさん出てきますが!
【直接利回り】は、直接、利率を購入価格で割るだけ!
解説
【直接利回り】は、償還差損益は無視し、
購入価格に対して1年にどれだけの割合の利子が受け取れるかの数値です。
練習問題
問.5
発行価格105円、利率2.2%、償還期間7年、購入価格110円の利付債券の
【直接利回り】を求めよ。
1. 1.350%
2. 1.414%
3. 2.000%
4. 2.040%
5. 2.058%
小数点第4位以下は切り捨て
2.2%÷110円×100=2.000
5.受渡金額
出題例
パターンA***********
額面100万円の長期利付国債を、取引所取引により
単価102.00円で購入した。
経過利子1,200円、委託手数料は額面100円につき40銭(消費税は考慮しない)とした場合の受渡金額はいくらか。
計算式A
1,000,000円÷100円×102.00円=1,020,000円
委託手数料:1,000,000円÷100円×0.4円=4,000円1,020,000円+経過利子1,200円+委託手数料4,000円
=1,025,200円
Ans: 1,025,200円
パターンB***********
額面100万円の長期利付国債を、取引所取引により
単価102.00円で売却した。
経過利子1,200円、委託手数料は額面100円につき40銭(消費税は考慮しない)とした場合の受渡金額はいくらか。
計算式B
1,000,000円÷100円×102.00円=1,020,000円
委託手数料:1,000,000円÷100円×0.4円=4,000円1,020,000円+経過利子1,200円ー委託手数料4,000円
=1,017,200円
Ans: 1,017,200円
解説
購入の時は委託手数料を足します。
売却の時は委託手数料を引きます。
また、委託手数料の消費税を考慮する場合は、
委託手数料4,000円×1.1=4,400円として計算します。
練習問題
問.6
額面100万円の長期利付国債を、取引所取引により
単価105.00円で売却した場合の受渡金額はいくらか。
経過利子4,200円、委託手数料は額面100円につき20銭(消費税を考慮すること)とする。
1. 1,043,600円
2. 1,052,000円
3. 1,052,200円
4. 1,056,200円
5. 1,056,400円
1,000,000円÷100円×105円=1,050,000円
1,000,000円÷100円×0.2円×1.1%=2,200円
1,050,000円+4,200円ー2,200円=1,052,000円
6.乖離率
出題例
次の条件の転換社債型新株予約権付社債の乖離率を求めよ。小数点2位以下は切り捨て
転換価格 1,000円
転換社債型新株予約権付社債の時価 108円
転換の対象となる株式の時価 1,250円
計算式
対象株式の時価1,250円÷10=パリティ価格125円
転換社債の時価(108円ーパリティ価格125円)÷パリティ価格125円×100=▲13.60%
Ans:▲13.60%
解説
パリティ価格とは転換社債の株式価値で、
株価の時価÷転換価格×100で求められますので、
上記の様に転換価格1,000円の場合は、
株価の時価÷転換価格1,000円×100
=株価の時価÷10としています。
テキスト表記は以下の通り
パリティ価格=株価÷転換価格×100
乖離率=(転換社債の時価-パリティ価格)÷パリティ価格×100
練習問題
問.7
次の条件の転換社債型新株予約権付社債の
乖離率を求めよ。小数点3位以下は切り捨て
転換価格 1,000円
転換社債型新株予約権付社債の時価 110円
転換の対象となる株式の時価 800円
1. ▲37.50%
2. ▲27.27%
3. 10.00%
4. 27.27%
5. 37.50%
(110円ー80円)÷80円×100=37.5%